財務省のトリックに騙されるな!(『週刊朝日』2012年2月10日号)

 現状で大増税が始まったら、間違いなく我国は沈没します。企業の倒産ラッシュとなり、自殺者も続出するでしょう。だから何としても消費税増税を阻止しなければなりません。

 今週の『週刊朝日』には、現在注目されている金融ブログ「日刊闇株新聞」の運営者による記事が掲載されています。中々良い内容なので、以下要点を紹介します。

 御用ジャーナリズムは、「日本の財政状態はギリシャより酷い」という煽り記事を垂れ流していますが、彼らは別に日本のことを心配しているわけではありません。商売の上で言っているだけで、うっかり信用すると損失を被ることになりますので、注意が必要です。

 マスコミや週刊誌は扇情的な記事を好みますが、それはその方が受けが良いからです。そして、財務省を始めとする政府機関とは腐れ縁がありますから、官庁の広報機関を務めることがよくあります。また、スポンサーの意向で、情報を流したりすることもあります。要は、自分たちの利害が中心になっているわけで、迂闊に信じることはできません。

 我国の財政状況の悪化を盛んに吹聴するのは、財務省の意向を受けてのことです。この動きに便乗しようと、ヘッジファンドも虎視眈々と狙っています。日本企業や日本国民は冷静に判断をしないと、これまでと同様、財産を毟り取られることになります。

 記事には、昨年9月末時点での日本全体の金融資産・負債の概略が記されています。これによると、資産は2708兆円で、負債は2439兆円となっています。差し引き、269兆円の黒字です。単純に考えても、約270兆円もプラスの資産を抱えているのですから、危機でないことは明白です。

 危機だと言われているのは、中央政府と地方公共団体で、こちらの方は差し引き610兆円の赤字です。(資産483兆円−負債1093兆円) 財務省は、この約600兆円の負債を以て財政危機だと叫んで増税しようとしているのですが、政府が作った借金を国全体の借金として問題をすり替えているのです。

 大変なのは「政府」の借金ですから、ここまで借金を膨らませた官僚や政治家が責任を取らなければなりません。これを国民の借金として負担させようというのですから、ヤクザ同然です。(ヤクザでもここまで酷いことはしませんから、ヤクザには失礼かも知れません)

 これは言い換えれば、町内会長の家が作った借金を町内の各家庭で負担するようなものです。こんなことは世間では通用しません。しかし、国家公務員試験を通っただけの試験秀才(とは到底思えませんが)は、世事に疎いのでこういう常識もないのです。自分たちはエリートだから、馬鹿な国民が貢ぐのは当然だと思い上がっていも不届きな輩も多いようですが…。

 先程、政府(地方を含む)の負債は約600兆円と記しましたが、「あれ、1000兆円じゃないのか?」と思った人もいるかも知れません。これも財務省のディスインフォメーションで、金融資産483兆円の方を省いて、負債の1093兆円だけを強調しているわけです。

 財務省の官僚は東大法学部を卒業した人が多いのですが、彼らは法律のことは多少知っているものの、会計上のことは無知です。このことは、元財務省官僚の高橋洋一氏がバラしています。この役所は信じられないことに、未だに「大福帳」の世界ですから、正確な数字は掴めないようになっています。こんな程度ですから、グロスの負債だけを言えば国民を騙せると思っているのです。(国民の方も会計のことはよく知りませんから、引っ掛かってしまうのですが)

 「政府」の借金が膨らみ過ぎていることは確かです。これ以上増やさない方がよいのですが、こうした場合、通常行うべきはコストカットです。民間では、当たり前の手法です。しかし、政府はこれをしようとしません。この点について、記事には次のように記されています。

 …そもそも、日本の財政問題とは、中央政府が国民から借りた借金が過大になっていることが本質だ。

 民間企業なら、銀行借り入れが多くて採算が悪化している企業に対して、銀行はコストカットや不採算部門の売却を勧めるのが常識だ。まさか「値上げをしてもっと儲けろ」とは言わないだろう。

 ところが、消費税増税はまさにこの「値上げ」にあたる話。「貸し手」である国民が「借り手」である国に負担を強制されるという、実に奇妙な構図になっている。


 周知の如く、日本国債の95%は国内で消化されています。だから政府の借金は、国民が貸しているわけです。借り手より貸し手の方が立場が強いことは、言うまでもありません。ところが、国債に関しては立場が逆転しています。これは、政府側に課税権という伝家の宝刀があるからです。

 しかし、課税権は天与のものとして政府に与えられているわけではなく、国政運営上、国民から委託されているだけです。財務省の役人はこの点をよく認識していないようなので、もう一度試験を課した方がよいでしょう。彼らは、世間の人たちが思っているほど怜悧ではなく、知識もありません。ただ、人を瞞着することにかけては天下一品なので、始末が悪いのです。

 財政状態を改善するには、増税しなくとも様々な手法があります。その詳細は記事に譲るとして、増税には何ら正当性はなく、天下りの根絶等、やるべきことは外にたくさんあるのです。この点を国民はしっかり認識して、増税など許さない雰囲気を作り上げることが必要です。
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Author:陽光堂主人
十代から本を乱読して得た雑多な知識と実務家としての経験とを併せて、新刊書を話のネタに世の中の真実を追究します。主なジャンルは、政治経済・歴史・精神世界です。「陽光堂主人」は、某月刊誌で使っていたペンネームです。

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