「沈黙のバンクラン」は金融大崩壊の前触れ
ギリシャで総選挙が行われて以来、7億ユーロが国外へ流出しているそうです。6日間で7億ユーロですから、1日当り約1億ユーロで、毎日100億円以上の預金が引き出されていることになります。
与党勢力が敗北し、新たな連立内閣も組めないという状況ですから、無理もありません。ユーロ離脱がいよいよ現実的になって来ましたから、その前にユーロを引き出しておこうと、誰でも考えます。
これは取り付け騒ぎ同然の状況ですが、こういう場合に目にする銀行前の行列ができていません。スムーズに引き出しができているようで、ギリシャ当局の手持ちのユーロは少ないはずなのに、これは一体どうしたわけでしょうか?
韓国の中央日報は、本日付でこう報じています。(http://japanese.joins.com/article/234/152234.html?servcode=300§code=340)
ギリシャで“沈黙のバンクラン”…KOSPIは58P急落で1850台割る
ギリシャで「沈黙のバンクラン(Silent Bank Run)」が進んでいる。ギリシャが公式的なデフォルト(債務不履行)とユーロ圏離脱の方向へ向かっているという信号だ。
総選挙が行われた6日以降の6日間で、預金7億ユーロが引き出されたという。一日に1億ユーロ以上の資金がギリシャから外国に流出したということだ。
「預金大脱出」は3年近く続いている。ギリシャ中央銀行によると、09年6月にはギリシャ銀行圏には2350億ユーロが預金されていた。この金額は財政危機が表面化した同年12月以降、急速に減少した。今年3月まで全体の31.9%の750億ユーロが国外に抜け、残額は1600億ユーロに急減した。にもかかわらずギリシャ市民が預金を引き出しに銀行の前に列を作る風景はほとんど見られなかった。金融専門家らが話す「沈黙のバンクラン」だ。
米ウォールストリートジャーナル(WSJ)は「(バンクランが目に触れないのは)欧州中央銀行(ECB)が事実上、無限大にユーロ貨幣を供給しているため」とし「ギリシャのユーロ圏離脱が迫れば、全面的なバンクランが発生するというのが専門家の見解」と伝えた。ギリシャ銀行のプロボポラス総裁も「預金者が恐怖を感じてパニックが発生する可能性もある」と警告した。
市場も揺れた。16日のKOSPI(韓国総合株価)指数は58.43ポイント(3.08%)安の1840.53で引けた。ソウル外国為替市場で韓国ウォンは米ドルに対し11.6ウォン値下がりした1ドル=1165.7ウォンで取引を終えた。 (下線は引用者による)
こういうのを「沈黙のバンクラン」と言うそうです。欧州中央銀行はこうなることを予測して、ギリシャの銀行にユーロを供給しているのです。だから行列ができていないのです。
我国で時々見られる取り付け騒ぎは、銀行側が事態を予測できなかったが故の現象なのです。しかし、「沈黙のバンクラン」は、危機にも拘らず平静を装っているわけですから、却って怖いと言えます。一般国民が知らない内に、銀行閉鎖ということも有り得るわけです。
このまま行けば、何事もなく再選挙ということになりそうですが、ユーロの供給にも限度があり、近いうちに打ち切られる恐れがあります。「時事ドットコム」の本日付の記事は、それを暗示しています。(http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2012051700030)
一部ギリシャ銀への融資停止=「深刻な資本不足」−欧州中銀
【フランクフルト時事】欧州中央銀行(ECB)は16日、複数のギリシャの銀行が「深刻な資本不足」に陥っているとして、これらの銀行への公開市場操作(オペ)を通じた融資を停止したことを明らかにした。頼みの綱だったECBの資金が利用できなくなった銀行にとっては、資金調達の道が狭められたことを意味する。
ギリシャの銀行が「深刻な資本不足」に陥っているのであれば、ECBは融資すべきですが、逆に停止しています。リスク管理という点からは正しい処置なのでしょうが、ECBは最後の頼みの綱である中央銀行なのですから、リスク云々などと言っている場合ではありません。これでは危機を助長しているようなものです。
制度的にはユーロ圏離脱はできないようになっているらしいのですが、これはあくまで建前上のことで、いざとなれば実行に移されるはずです。制度を守るために域内の国を滅亡させるわけには行きませんから。
ギリシャがユーロを離脱した場合、通貨は以前の「ドラクマ」が使われることになります。当然、大暴落するでしょうが、その前に各国の金融機関でドラクマが使用できるような態勢を整えて置く必要があります。その態勢は既にできているそうです。
国際的な金融機関には、かつて使われていたドラクマのデータが消されずに残っていて、いつでも使えるようになっているのです。ということは、ギリシャはユーロに参加した当初から、離脱する可能性があると思われていたわけです。更に言えば、今回の事態は筋書き通りかも知れないのです。
今回のドタバタで利益を得ているのはドイツです。輸出依存度の高いドイツは、ユーロ安の恩恵をたっぷりと受けています。しかし、この状況は早晩終息します。ドイツは最終的な勝利者にはなれません。
ユダヤ系金融機関も儲けたでしょうが、JPモルガン・チェースのように多額の損失を出したところもあります。(JPモルガンの損失は、公表値より格段に多いと見られています) 彼らも本当の勝利者となれるかどうか定かではありません。
リーマン・ショック以来、危機的構造は隠されたまま、何とか誤魔化してやって来ました。それが炸裂するのは時間の問題で、ギリシャ危機が引き金になるのではないかと懸念されています。
金融が大崩壊し、現行システムが消失した後にどういう世界が待ち受けているのか、明確な見通しを立てることはできません。今の事態が計画通りなら、筋書きを書いた者には先が見えているでしょうが、それとて不確かな未来です。人間の浅はかな知恵では予想もつかない展開になるのが普通ですから。
陰謀を企む者も、計画を修正しつつ、野望を達成しようとしています。物事には節目があって、その時の対応次第で未来が大きく左右されます。現在はその時だと思いますので、刮目して事態の推移を見極める必要があります。
与党勢力が敗北し、新たな連立内閣も組めないという状況ですから、無理もありません。ユーロ離脱がいよいよ現実的になって来ましたから、その前にユーロを引き出しておこうと、誰でも考えます。
これは取り付け騒ぎ同然の状況ですが、こういう場合に目にする銀行前の行列ができていません。スムーズに引き出しができているようで、ギリシャ当局の手持ちのユーロは少ないはずなのに、これは一体どうしたわけでしょうか?
韓国の中央日報は、本日付でこう報じています。(http://japanese.joins.com/article/234/152234.html?servcode=300§code=340)
ギリシャで“沈黙のバンクラン”…KOSPIは58P急落で1850台割る
ギリシャで「沈黙のバンクラン(Silent Bank Run)」が進んでいる。ギリシャが公式的なデフォルト(債務不履行)とユーロ圏離脱の方向へ向かっているという信号だ。
総選挙が行われた6日以降の6日間で、預金7億ユーロが引き出されたという。一日に1億ユーロ以上の資金がギリシャから外国に流出したということだ。
「預金大脱出」は3年近く続いている。ギリシャ中央銀行によると、09年6月にはギリシャ銀行圏には2350億ユーロが預金されていた。この金額は財政危機が表面化した同年12月以降、急速に減少した。今年3月まで全体の31.9%の750億ユーロが国外に抜け、残額は1600億ユーロに急減した。にもかかわらずギリシャ市民が預金を引き出しに銀行の前に列を作る風景はほとんど見られなかった。金融専門家らが話す「沈黙のバンクラン」だ。
米ウォールストリートジャーナル(WSJ)は「(バンクランが目に触れないのは)欧州中央銀行(ECB)が事実上、無限大にユーロ貨幣を供給しているため」とし「ギリシャのユーロ圏離脱が迫れば、全面的なバンクランが発生するというのが専門家の見解」と伝えた。ギリシャ銀行のプロボポラス総裁も「預金者が恐怖を感じてパニックが発生する可能性もある」と警告した。
市場も揺れた。16日のKOSPI(韓国総合株価)指数は58.43ポイント(3.08%)安の1840.53で引けた。ソウル外国為替市場で韓国ウォンは米ドルに対し11.6ウォン値下がりした1ドル=1165.7ウォンで取引を終えた。 (下線は引用者による)
こういうのを「沈黙のバンクラン」と言うそうです。欧州中央銀行はこうなることを予測して、ギリシャの銀行にユーロを供給しているのです。だから行列ができていないのです。
我国で時々見られる取り付け騒ぎは、銀行側が事態を予測できなかったが故の現象なのです。しかし、「沈黙のバンクラン」は、危機にも拘らず平静を装っているわけですから、却って怖いと言えます。一般国民が知らない内に、銀行閉鎖ということも有り得るわけです。
このまま行けば、何事もなく再選挙ということになりそうですが、ユーロの供給にも限度があり、近いうちに打ち切られる恐れがあります。「時事ドットコム」の本日付の記事は、それを暗示しています。(http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2012051700030)
一部ギリシャ銀への融資停止=「深刻な資本不足」−欧州中銀
【フランクフルト時事】欧州中央銀行(ECB)は16日、複数のギリシャの銀行が「深刻な資本不足」に陥っているとして、これらの銀行への公開市場操作(オペ)を通じた融資を停止したことを明らかにした。頼みの綱だったECBの資金が利用できなくなった銀行にとっては、資金調達の道が狭められたことを意味する。
ギリシャの銀行が「深刻な資本不足」に陥っているのであれば、ECBは融資すべきですが、逆に停止しています。リスク管理という点からは正しい処置なのでしょうが、ECBは最後の頼みの綱である中央銀行なのですから、リスク云々などと言っている場合ではありません。これでは危機を助長しているようなものです。
制度的にはユーロ圏離脱はできないようになっているらしいのですが、これはあくまで建前上のことで、いざとなれば実行に移されるはずです。制度を守るために域内の国を滅亡させるわけには行きませんから。
ギリシャがユーロを離脱した場合、通貨は以前の「ドラクマ」が使われることになります。当然、大暴落するでしょうが、その前に各国の金融機関でドラクマが使用できるような態勢を整えて置く必要があります。その態勢は既にできているそうです。
国際的な金融機関には、かつて使われていたドラクマのデータが消されずに残っていて、いつでも使えるようになっているのです。ということは、ギリシャはユーロに参加した当初から、離脱する可能性があると思われていたわけです。更に言えば、今回の事態は筋書き通りかも知れないのです。
今回のドタバタで利益を得ているのはドイツです。輸出依存度の高いドイツは、ユーロ安の恩恵をたっぷりと受けています。しかし、この状況は早晩終息します。ドイツは最終的な勝利者にはなれません。
ユダヤ系金融機関も儲けたでしょうが、JPモルガン・チェースのように多額の損失を出したところもあります。(JPモルガンの損失は、公表値より格段に多いと見られています) 彼らも本当の勝利者となれるかどうか定かではありません。
リーマン・ショック以来、危機的構造は隠されたまま、何とか誤魔化してやって来ました。それが炸裂するのは時間の問題で、ギリシャ危機が引き金になるのではないかと懸念されています。
金融が大崩壊し、現行システムが消失した後にどういう世界が待ち受けているのか、明確な見通しを立てることはできません。今の事態が計画通りなら、筋書きを書いた者には先が見えているでしょうが、それとて不確かな未来です。人間の浅はかな知恵では予想もつかない展開になるのが普通ですから。
陰謀を企む者も、計画を修正しつつ、野望を達成しようとしています。物事には節目があって、その時の対応次第で未来が大きく左右されます。現在はその時だと思いますので、刮目して事態の推移を見極める必要があります。











